【旅】旅行鞄の中身について
旅支度で、憧れがある。
そんな昔でもないが、
大林宣彦監督の映画『この空の花 長岡花火物語』で
松雪泰子が新潟県へと取材に行くために旅支度をするシーンがある。
そこで、大きな肩掛けのボストンバックのようなタイプの旅行鞄に、
ひとつ、とても綺麗なサンダルだったか、靴だったかを、しまうシーンがあるのだ。
旅先に、そんな良い靴を一つだけもっていく、なんて行為が当時ものすごく大人にみえて、とても憧れたのを覚えている。
そうしてその映画では、確かそのサンダルは旅先で出会った原田夏希へと受け継がれることになる。
そのサンダルへ憧れの視線を送った原田夏希のことを(しかも確かそれは一瞬しか描かれていない)松雪泰子が覚えていて、
最後に新潟を去る際に、私のお古だけどお礼に、と渡していたような気がする。
その行為の全てが私には斬新で、それでいてすっごく大人で、とっても素敵でビックリした。
いつかもう少し大人になったとき、なれるかわかんないけど、今は楽なのでスニーカーひとつでバンバン出かけてしまうけれど、もう少しだけ大人になったならば、旅先に、ひとつ鞄の中にそういう靴をつめて出掛けてみたいな。
と思うヤスコでした。