【新】崩壊してもしなくても

ここ最近、よく字を書いている。真っ白な紙と筆ペンを手に、テレビを眺めていると飛び込んでくるセリフやそこから頭の中でどんどん派生していくことばをつらつらと書いて書いて書いて書いて、真っ黒で隙間がないほどになってから捨てるという、生産性もなにもない完全なる暇つぶし行為だ。とても楽しい。

 

そのおかげで字が上手くなったのかというと、そんなわけでもない。たまには、お手本となる本を買ってみたり、父が持っている小洒落た字がたくさん書かれてある書道の本なんかを見て真似をしてみるのだけれども、色気のある字を書くのは簡単なことではないということがよく分かった。

 

最近「センスの良さとは、知識量の表れである」といった意味合いのことばをどこかで目にしたのだが、まさにそれなんだろうなと。これがグッドバランスだ!という文字の書き方を知っていて、それが自分のものになっていく間にオリジナル要素が盛り込まれ、考えなくてもその理想の筆運びが出来るようになって初めて、センスが良い文字が書けるというものなのだろう。

 

ところで、タイトルにもある【新】という文字だが、生まれてこのかた納得のいくように書けた試しがない。そもそも字が壊滅的に下手くそな訳ではないので、大体の字であれば何度か書けば、まあまあ美しいじゃないかと自画自賛できるようなレベルには書けてきたつもりだ。それなのに。どうしても【新】だけはダメだ。

 

先ほど書いたこちら。

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お気に入りの筆ペン、ちょっといい和紙(右下の最高にきれいな字は紙に印刷してある和紙の名前)を用意して、万全の態勢で臨んだのにこのレベルである。これだけたくさん書いても、どれもいまひとつ。なぜなのか。なぜこんなにも、中途半端なのか。お手本を見て書いたのに…。もう相性が悪いとしか言いようがないのだろうか。書いている間にゲシュタルト崩壊が襲いかかってきて、美しいかそうでないか云々以前の問題になってしまい、挫折。

 

いつか、これだ!と 思える【新】に出会えるその日まで。おそらく割と日常生活でも頻繁に出会う文字であると思うので、色んな人の文字を見て知識をためてわたしの【新】を確立させようと思う。そのときは、年賀状に手書きで【謹賀新年】と書くことにするので待っていてほしい(ほんとかな)

 

最後に、お気に入りの筆ペンを紹介しておきます。適度に柔らかくてめちゃくちゃ書き心地が良いです。

ぺんてる 筆ペン ぺんてる筆 中字 黒 XFL2L https://www.amazon.co.jp/dp/B000THNGVO/ref=cm_sw_r_cp_api_UE5AybQKATXNY